「免疫力アップ!」噛むことで分泌される 唾液のパワーがすごい‼
唾液は食べ物を消化するために口腔内で分泌される消化酵素のひとつです。
視覚やにおいなどで食べ物を認識した瞬間から、体の中では消化のための準備が始まります。
例えば、梅干しやレモンなどのすっぱいものを見ただけで、じわーっと唾液が分泌される経験は皆さんありますよね。
今までの経験から、その食べ物がどんな味なのか認識し、瞬時に脳から唾液の分泌を促される。この事です。
良く噛むことで、唾液の分泌量も上がります。
あまり咬まずに食べ物を丸呑みすると、唾液の消化酵素も不足し、食べ物が栄養素まで分解されず体に取り込まれにくくなります。
この他にも唾液にはいろいろな機能があります。
唾液の機能
1、緩衝能(phの調整)
糖分を摂取するとミュータンス菌が酸を排出し、歯面のミネラルが溶けやすい状態になります。
そこで活躍するのがこの力。唾液はややアルカリ性の為、口腔内を中性に戻します。
このおかげで、歯が溶けにくい環境がつくられます。
2、再石灰化
口腔内が酸性に傾くと歯面のミネラルが溶けだし、結晶構造がスカスカに。
そこにカルシウムイオンとリン酸イオンを補給し、エナメル質の結晶を新しく形成するのが
この力です。再石灰化の作用によって、歯面が溶けてもすぐ歯に穴が開くという事はありません。
3、自浄作用
食べかすや細菌を洗い流してくれるのがこの力。自浄作用が働きやすい部位(唾液が届きやすい部位)ほど最近は洗い流され、酸も作られにくく虫歯のリスクは低くなります。
歯を守る以外にも、食べ物を飲み込みやすくしたり、消化しやすくしたり。日常生活を支える力も重要ですよね。お口のうるおいは、患者さんにとっても歯科衛生士にとっても、元気に暮らしていくうえでなくてはならない要素です。
抗菌物質IgA(細菌やウイルスに働きかける)
唾液の作用は全身の健康を守る力もあります。それが、抗菌作用。
口腔内は、外部と接する大きな粘膜です。
外から細菌やウイルスが侵入したり、食べ物などの汚れで
細菌が発生しやすい場所でもあります。
そんな粘膜で活躍するのが、唾液に含まれる抗菌物質たちです。
彼らは、人間にとって良くない細菌の細胞膜を破壊したり、ウイルスの成長を阻害したりと、人知れず私たちの健康を守ってくれています。
中でも今注目したいのが、IgA(免疫グロブリンA)
この物質は、口腔内に細菌やウイルスなどの異物が侵入すると、見つけて取り囲み、粘膜への付着を防ぎます。そのあと異物は唾液の自浄作用によって洗い流されるので、私たちは元気に過ごすことができる。ウイルスと共に生活をしている私たちによって、心強い味方なのです。
口腔内のIgAを増やすには、まず唾液そのものを増やすことが大切です。
常にマスクをして潤いが減っている今は特に、意識的に唾液を出すよう
食べ物はよく噛み、舌の体操や唾液腺をマッサージしたりして、唾液腺を刺激してみましょう。