【歯科医師が解説】ヒートショックになりにくくするための具体的な3つの対策

2024年12月に中山美穂さんが入浴中にヒートショックによって亡くなられたニュースがありました。

非常に残念です。ご冥福をお祈りいたします。

いくみん

「ヒートショック」って何?

そう思われた方もいらっしゃると思いますので、本ページでは「ヒートショック」に関する情報をお伝えしていきます。

目次

ヒートショックとは?

ヒートショックは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、体に悪影響を及ぼす現象です。

例えば、寒い脱衣所(10度)から熱いお風呂(40度)に入るとき、たった数秒で30度もの温度差を体が経験することになります

この急激な温度変化で、私たちの体には次のような変化が起こります。

・血管が急に縮んだり広がったりする
・血圧が急激に上下する
・心臓に大きな負担がかかる

なぜヒートショックは危険なの?

ヒートショックが怖いのは、最悪の場合、命を落とすことがあるからです。

他には、主な危険性としては

・心臓発作を起こす可能性
・脳卒中のリスクが高まる
・意識を失って溺れる危険性

様々なリスクがあります。当然、冬は毎年訪れますので、だからこそ、具体的な対策を把握しておくことが大切です。

ヒートショックはどなたがなりやすいの?

礼子先生

下記のような方がなりやすいです。

・高齢者(65歳以上)
・高血圧の人
・心臓病がある人
・糖尿病の人
・お酒を飲んだ後の人

ヒートショック対策の3つの基本

礼子先生

ヒートショックにならないように下記の3つの方法は覚えておいてくださいね。

1. 家全体を暖かくする

・暖房で室温を18度以上に保つ
・脱衣所やトイレにもヒーターを置く
・断熱カーテンや窓の二重化で寒さを防ぐ

2. お風呂の入り方を工夫する

・湯温は「41度以下」に設定
・脱衣所と浴室を暖めてから入浴
・かけ湯をしてからゆっくり入る
・湯船には肩まで浸からない

3. 入浴時の注意点

・早朝や深夜の入浴は避ける
・食後すぐの入浴も避ける
・長湯はしない(10分程度が目安)
・飲酒直後の入浴は危険

特に12月は忘年会、1月は新年会とお酒を飲む機会も多いと思いますが、そういった時が一番危険ですので、飲酒は特に気を付けてください。

季節別の注意点

冬場

・特に注意が必要な季節
・暖房をこまめに使用
・厚手のバスローブを用意
・温度計を設置して管理

春・秋

・寒暖差に注意
・朝晩の温度変化に気をつける
・適切な室温管理を心がける

・エアコンとの温度差に注意
・冷房を適切な温度に設定
・熱中症対策も忘れずに

ヒートショック時の緊急時の対応

下記の状態になられましたら、すぐに緊急時の対応を行ってください。

・めまいがする
・胸が痛む
・息苦しい
・吐き気がする

もし、入浴中に具合が悪くなったら

・すぐにお湯から上がる
・体を服や毛布などで温かくして休む
・症状が重い場合は「救急車」を呼ぶ

「いつもと違うな」と思ったら、すぐに上記の対応を心がけてください。

予防のための3つの生活習慣

礼子先生

他にもヒートショックになりにくくするためには「生活習慣」が重要です。

1. 日々の運動

・ウォーキング
・ストレッチ
・軽い筋トレ

2. 健康管理

・定期的な血圧測定
・かかりつけ医への相談
・十分な睡眠

3. 食生活の改善

・塩分控えめの食事
・バランスの良い食事
・適度な水分補給

まとめ

ヒートショックは十分に予防が可能です。

特に高齢者の方がいらっしゃるご家庭や、身体が何かしらの原因で弱ってしまっている場合は、家族全員でヒートショックについて理解を深め、対策を行ってください。

具体的な対策をまとめると

1.家全体の温度管理をしっかりする
2.入浴方法を工夫する
3.体調管理に気を配る
4.緊急時の対応を家族で確認しておく

ちょっとした工夫と注意で、安全で快適な生活を送ることができます。

特に寒い季節は注意が必要ですが、一年を通じて気を付けたい健康問題です。

家族や大切な人の命を守るため、このヒートショック対策を今日から始めてみましょう。

小さな心がけが、大切な命を守ることにつながります。

この記事を書いた人

1986年 東北歯科大学卒業。1986年 滋賀医科大学 口腔外科 勤務。1987年 磯村歯科医院 勤務。1992年 先代より磯村歯科医院の院長職を引き継ぐ

日本糖尿病協会歯科医師登録医、一宮市市民病院地域連携登録医、口腔管理医療連携医

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